郷愁を誘う石の肌触り。
2025.09.19
こんばんは。ナカムラです。
今日から東京は浅草で、手紙社が手がける「紙博 in 東京 vol.11」というイベントが始まりました。紙博とは、イラストレーターや文具メーカー、印刷会社など、紙ものに魅了された作り手が国内、そして海外からも集まるイベント。はんこ、マステ、ポストカード、シール、活版作品など……。個性溢れる作品が所狭しと並んでいる風景はまさに圧巻で、つい手にとってしまいたくなるようなキュートなものばかり。先日のコイケのおたよりにもあるように、クラフェスに出店する作り手たちもちらほら!
さて、本日ご紹介するのは、私が愛して止まない作り手の一人である羽生直記さん。鉄を使ったインテリア・キッチン用品など生活に寄り添う作品を手がけています。洗練されたデザインでありながらも、手にするとわかる確かな金属の重み。鉄と聞いて思い浮かべる硬くて無骨な印象はなく、暮らしにさらりと馴染むものばかり。使い込むほどに表情を変え、ともに暮らしていくことの楽しさを実感できる羽生さんの作品は、サイズの大小を問わず、どれも確固たる存在感を放ちます。
そんな羽生さんの作品をようやく手にできたのは、つい最近の出来事。先週まで開催されていた個展に伺った際、そこで運命的な出会いが待っていたのです。それがこちらの「石台座皿」。二つに切られた石の上にステンレスの皿が刺さっている、という何ともシュールな見た目。でも、どうしてか心をくすぐるというか、惹かれてしまう。手にしたとき、気に入った石を拾ってはコレクションしていた、幼少期のあの日が鮮明に浮かび上がってきました。石の重み、ざらっとした肌触り。それぞれが幼心を思い出せてくれるようでした。金属×石という自然には交わることのない二つですが、羽生さんの自由な発想によって美しいマリアージュとなり、それぞれがもつ魅力を引き出し合っているように感じたのです。
「この皿の上に何を置こうか」なんて考えながら歩く帰り道。あれも良い、これも良い、なんて悩みながらもたどり着いた答えは……、そう、イラストレーター・いそのけいさん(今回の紙博にも出展されていますよ!)のオブジェ! 目を瞑り、寝息が聞こえるかのような表情で横たわる犬のオブジェと、洗練された雰囲気を纏う石台座皿の組み合わせが私の中でベストマッチ。このサイズ感もたまらない…….。我ながら良い組み合わせを見つけたものだな、と自画自賛をしてしまいました。
次に手に入れたいのは羽生さんのフライパン。それも大きなサイズものではなくて、少し小ぶりで扱いやすそうなもの。大のソーセージ好きな私からすると、お気に入りの鉄フライパンでじゅわっとソーセージを焼いて食べてみるのがちょっとした夢だったりします。料理道具の要とも言えるフライパン。そんな妄想を膨らませつつも、買う前に、まずは妻に相談しなければ。