クラフェスだより

コイケ

クラフトビールがカルチャーとなる幸せ

2025.09.04

こんにちは、コイケです。「この季節がやってきたか」と、ついしかめ面になってしまうのは、台風情報のせい。みなさんの地域は大きな被害ありませんでしょうか。何事もなく過ぎ去りますように。明日の夕方から、会場であるGIANTS TOWN STADIUMではリアル脱出ゲームのイベントを予定しているとのことで、無事に開催できるか、我が身のように祈るばかり。10月は、ずっと良い天気であるはず!

本日は、「クラフト」の中でも無形の存在、クラフトビールについてのお話です。お酒を飲む人にも飲まない人にも、今や一般的に通用するようになった「クラフトビール」という名称。まさに、こちらも作り手の個性と技術や経験、創造力がものを言う世界。近年では、クラフトジンやクラフトサイダー(シードル)など、ビール以外でも小規模で個性的なお酒の作り手が増えてきましたね。

私と本格的なクラフトビールとの出会いは10年ほど前。手紙舎 2nd STORYで当時扱っていた瓶ビールからだったと思います。クラフトビールの中でも比較的大きく展開しているブルワリーのものでしたが、それでも普段飲み慣れていたラガービールとは味わいが全く違い、「これはいい!」と感じたものです。そして、灯台下暗し。同僚に超の付くクラフトビール好きがいたことも手伝って、時間を見つけては、当時まだ数少なかったクラフトビールがタップで飲めるお店を探して通い、この界隈では世界をリードしているアメリカ・ポートランドのブルワリーが作るビールや、日本での一大中心地、長野県のブルワリーが作るビールを楽しんで、すっかりクラフトビールの大ファンになってしまったのでした。

お酒に詳しくない方に補足説明すると、ビールの製法(発酵のし方)を大きく分けるとざっくり2通り。ひとつは、日本では馴染み深い「ラガービール」の製法。大手ビール会社の主力で、キレと軽やかさが特徴でしょうか。そして、もうひとつが「エールビール」の製法。芳醇さと味わいのバリエーションが豊かで、濃厚なものが多い印象です。クラフトビールでよく目にする「ペール・エール」や「IPA(インディア・ペール・エール)」のエールですね。このエールビールで、私が一番ハマったのは、やはり香り(少々お汚い表現ですが、特にゲップをした時に込み上げくる際の香り 笑)です。ビールの大事な材料に“ホップ”があります。このホップを入れることで、ビールに苦味や香りが生まれ、また、悪い菌の繁殖を防ぐという効果があるのです。クラフトビールの醍醐味は、このホップ使いの多様性と言っても(個人的には)過言ではないと思っています。特に私は柑橘系の香りが強い「アマリロ」や「モザイク」といったホップを使ったビールで、その魅力に開眼しました。またまた補足ですが、IPAが、“インディア”ペール・エールという名前なのは、イギリスからインドにビールを運べるほど、保存に有効なホップを大量に入れたからだそうで、その分、香りや苦味の強度も増し増し! 「クラフトビール飲むならIPA!」という方の気持ちが痛いほどわかるのです。私にとっての問題は、クラフトビール、特にIPAのアルコール度数が比較的高めなこと。基本的に肝臓は強くないので、美味しいIPAをがぶがぶとはいかず、ちびちび飲むことになるのが無念でなりません……。

さて、そんな風にクラフトビールに魅了された私にとってのビッグイベントといえば、自分の働く会社がビール醸造を始めたということ! 手前味噌ですが、どんどん美味しくなっていくビールを飲む度に、誇らしい気持ちになるのでした(みなさんも、我らがヘッドブルワー・フジノにぜひともエールを!)。そして、今回のクラフトフェスティバル! TEGAMISHA BREWERYのお師匠・和泉ブルワリーをはじめ、ビール好きなら全部制覇したくなるようなクラフトビールの作り手が10組集結します。中でも、件のクラフトビール好きが10年近く前に「ここのビールは飲める所も少ないし本当に美味しい!」と言っていた、長野県のAJBが出てくれることには、感慨深さひとしおです。さあ、飲める方は目一杯カップを手にし、飲めない方は香りだけでも吸い込んで、クラフェスのクラフトビールを楽しみましょう! そうそう、コーラやジンジャーエールやオレンジジュースのノンアル系クラフトドリンクも揃っていますよ!