財布。それこそ紳士のたしなみ。
2025.09.02
こんにちは。ナカムラです。外に出るにはハンカチが欠かせないほど暑い日々が続いていますね。ハンカチで思い出すのは、映画『マイ・インターン』でロバート・デ・ニーロ扮するベンが言ったこんな台詞。「ハンカチは貸すためにある。女性が泣いた時のため。紳士のたしなみだ。」……なんてかっこいい台詞なんでしょう。簡単に真似できないな、と思いつつも、この映画を観てから、どこかに出かけるときは必ずハンカチを持つようになりました。もちろん、拭うのは汗ぐらいなものですが。さて、それはさておき、みなさんにお届けしたいのは革の奥深さ。世の中にはさまざまな革のアイテムがありますが、中でも身近なのはお財布ではないか。ということで、今日は私が2年半ほど使っているSAFUJIのお財布をご紹介!
2023年の7月に購入。この財布を見ると色々なことを思い出します。意味もなく触ってみたり、目的もないのにコンビニに出かけてみたり……。
新小金井にアトリエを構えるオーナー・沢藤勉さん。“作れるかどうか”は二の次で、自分の中に生まれる“作りたい”という気持ちを大切にしているとのこと。一切の妥協なく、使い手の立場になって考え、生み出された財布やバッグなどの革作品には、痒いところに手が届く、そんな“ちょうど良さ”があるんです。私が3年ほど使い続けているのは「こさいふL」というお財布。おそらく、よほどのこと(もう修復ができないとか)がない限りは、この先の人生で買い換えることはない、いや、買い換えたくないとまで思うほど、生活にフィットしています。なんといっても、使い心地の良さは言葉では言い表せられないほどに格別。沢藤さん自身が財布を使う中で経験した「ここは不便だ」と感じる部分にフォーカスし、細かな部分まで考え抜かれた趣向を詰め込んでいるからこそ、感じとれる便利さ。手に収まるサイズでありながらも十分すぎるほどの収納力、そして何よりも財布を開けた瞬間にカード、小銭、紙幣がぱっと目に入ってくるのがたまらなく便利です。ファスナーがついていないので視覚的に財布の中身を確認できるし、それぞれの間口も広いからレジでもたつくことがなく、すっと支払いができる。SAFUJIのお財布って、とことん等身大なんですよね。お金をしまう、出す、という基本的な動作に忠実だからこそ余計な修飾がなく、機能美と形式美がちょうど良いバランスを取っているのだと感じています。
※2025年9月(2年半ほど経過)
それに、使えば使うほど変化していく革の質感そのものもたまりません。私もどの革にしようかと吟味していたときに、決め手になったのは経年変化を反映した革の風合いでした。こんなに色が変わっていたのかと驚きを隠せませんが、自分の財布ながらも「これこれ!」と惚れ惚れしています。傷や汚れも成長の証で、これこそが革の醍醐味というか、味が出てきたなぁとしみじみ。それに、手触りもかなり当初とは違います。初めは革のざらっとした感触がありましたが、今はつるっと滑らかに。そういえば、匂いはあのときから変わらないかも。使えば使うほど自分の生活に馴染んでいくこの感覚を、ぜひ手に取って味わってみてほしいなと思います。