クラフェスだより

キモト

国境を越えた愛

2025.08.25

おはようございます。こんにちは。こんばんは。キモトです。気付けば8月も終盤ですが、みなさんゆっくりと過ごされていますでしょうか。暑い日々に無理は禁物ですので、ほどほどに過ごしましょう(自戒も含め)。

さてさて、本日みなさまにお話したテーマは‟国境を越えた愛”です。数々の名だたる作り手が参加するクラフェスですが、なんとこの度、海を越え海外から参戦してくださる方もいらっしゃいます! 活動拠点は韓国で、張勲成工房(Jang Hun Seong Pottery)という、陶器を扱う作り手です。私は、興奮が止まらず嬉しくて震えています。美しい風貌の美しい茶碗や味わい深いマグカップ、万能に活躍すること間違いなしの平皿、そして何より私が心を奪われたのは、ちょこんといるだけで、一気に愛らしい存在にしてくれる動物が乗った作品です。ぜひ公式インスタグラムをご覧ください。小さな犬や猫が急須や指輪入れ(素敵!)に乗っかっています。ずっと眺めていると、どんどん心が癒されていくのです。

ずっとインスタグラムをフォローしていて、いつか手紙社のイベントでお呼びできないかな、とひそかに夢を抱いていました。そして、クラフェスを自分が担当することになったときに「ジャンルであれば、クラフトがぴったりだ!」と考えていました。ただ、海外の方をお呼びする、というのは、お相手にとっても、我々にとっても中々にハードルが高いものなのです。なんと言っても言葉の壁、どんなに分かりあいたくても、伝えたくても伝えきれないときがある、相手が困っていたときにすぐ助けてあげられるかな、という不安があります。また荷物の発送も、国内のようにただ送るわけにはいかず、関税などややこしい問題が盛りだくさん。そして何より、海を越え、異国に来ていただくというわけです。国を越えて、イベントに出店するというのは、みなさんの想像以上に様々なに障壁があるのです。ですので、長く長く、お声がけをチームでも迷っていました。「お呼びすることで、逆に迷惑をかけてしまうのではないか、無理をさせてしまわないか……」と、自問自答を繰り返す日々。「無理はしなくても良いのかな」、そう結論を出そうとした日もありました。

でも、ずっと心にいるのです。すぐにでも頭に浮かぶ、愛おしい作品。考え抜いた末、思ったのです。「決めた! やっぱりお呼びしよう」と。その答えは一つでした。「こんなにも素敵な作品を生み出す作家を、放って置くわけにはいかない! たくさんの方に伝えたい!」という気持ちでした。どんなハードルがあろうと、どんな条件があろうと、ただ純粋に「出店していただきたい」という情熱でした。そうと決めたら、胸に秘めた、熱い思いを、大好きという気持ちを、余すことなく伝えようと、絵巻物のようなメッセ-ジを送りました。読んでいただけるだろうか、そもそもきちんと伝えることができるだろうか……お声がけしてからしばらく悶々としておりました。そして数日後、お返事が届きました。私はいつも以上に緊張しながらメッセージを確認したら、なんと二つ返事でご出店を決めてくれたのです。冗談ではなく、本当に涙が出そうになりました。いろんな悩みを、葛藤を越え、快く出ることを決めてくれたのです。国を越えて、思いが通じ合ったことに、私は深く深く感動しました。今すぐにでも、出向いてハグをしたいくらいでした。この場を借りて、もう一度御礼を言わせてください。本当にありがとうございます(見てくださっているでしょうか)。

当日、なんて挨拶をしようか、なんて御礼を伝えようか、どんなお話をしようか、頭の中で考えては胸をときめかせています。お会いできるのが、待ち遠しくてたまりません。どうか、心から出店して良かったと思ってもらえますように。クラフェスには、国境を越えて、私たちが心の底から「素晴らしい」と思った作り手が集まります。満を持して、みなさまにお届けします。一目ぼれする作品と、出会えますように。