クラフトの器の楽しみかた
2025.08.27
どうも、こんにちは! 最近朝活ができて調子が良いナガオカです。気づけば8月も下旬、クラフェスまでもう残り1ヶ月を切ろうとしています。入社した頃は「まだまだ先だな……」と遠い未来のように思っていましたが、まるでタイムワープをしたかのように過ぎていく日々に驚きを隠せません。クラフェス成功に向けて、チームメンバー、出店者のみなさまと全力で駆け抜けます!
さて、本日はある作家さんの個展に行き、改めて感じた器の楽しみ方についてお話しします。クラフト好きの方からすると「そんなの当たり前でしょ!」と突っ込まれそうな、クラフト初心者丸出しのブログになる予感ですが、クラフトに触れたてフレッシュな私の感動をぎゅぎゅぎゅっと詰めていますので、どうか温かく見守っていただけると嬉しいです。
さて、私が訪れた個展を開催していたある作家さんとは、陶芸家の小谷田潤さんです。個展会場を全身を使って楽しめた上に、作品も購入しちゃいました。小谷田さんの器を手に入れてからというもの心がたぷたぷに潤い、最近サボりがちだった自炊も再開しちゃうくらい気分上々です。そんな使う人の心を満たしてくれる小谷田潤さんについて、簡単にご紹介します。小谷田さんは手紙社誕生のきっかけとも言える存在。手紙社代表の北島が、小谷田さんの器に出会い、魅了され、小谷田さんをはじめとした敬愛する作り手たちを多くの人に紹介したい、一緒に何かをしたい、というところから手紙社のイベントの原点である「もみじ市」が生まれました。もし北島が小谷田さんの器に出会わなければ、今の手紙社は存在しなかったかもしれません。それほど手紙社にとって大きな存在の作家さんです。
小谷田さんは今月の8日から12日の5日間、京都で器や道具を扱うお店「木と根」のギャラリー「分室カスタド」で個展を開催していました。ちょうど私たちの主催イベント「紙博&布博 in 京都」で現地にいたため、終了後にチームメイトのキモトと共に訪れました。今回の個展テーマは「シチリア島」。特徴的なグレーがかった丸みのあるざらざらした質感の器やレモンのような清涼感あふれる黄色い器が並んでいて、個展会場に一歩入ったその瞬間から胸のときめきが止まりませんでした。シンプルかつ美しい作風が並ぶその横には、クマのイラストが描かれた平皿もあったりして、急なギャップが面白く、思わず笑みが溢れてしまいました。個展会場は展示空間とカフェ空間に分かれていて、白い壁に器が映えるよう美しく並べられていました。そして何より感動したのは、小谷田さんの器でデザートをいただけたことです! 私は「レモンのカッサータのイートンメスとアイスティーのセット」を、キモトは「檸檬の水羊羹プレートと冷茶のセット」を注文しました。
まず最初に出てきたのは、大きなどんぶりサイズの器に入った紅茶。個展でも同じサイズ感のものが並んでいましたが、お米やお野菜を盛り付けるものだと思っていたので、まさか飲み物を注ぐとは、とびっくりすると同時に、「器の使い方ってこんなに自由なのか!」と感動しました。写真だと伝わりにくいですが、両手で包み込むように持っても持ちきれないようなサイズ感で、ごろっとした大きな氷が入っていました。それが器の真ん中で浮かび、とぅるとぅると水をまといながら輝く姿が美しく、少しずつ形を変えていく過程に時間を忘れて見入ってしまいました。すっきりとした風味と器の中でゆるやかに変わる景色を楽しみながら、紅茶を飲んでいるとキモトが「抹茶を飲む器はこのサイズですよね」と一言。過去に抹茶を飲む体験をした時も、泡立ちが残る緑色の様子をまじまじと見ながら、味覚だけでなく視覚でも楽しんでいました。そんな味覚だけでなく、視覚や嗅覚でより楽しむ体験は、手仕事による作品だからこそできる体験だと感じました。より、固定概念にとらわれず、自由に楽しめることも、クラフト作品の魅力なのかもしれません。そうしている間にベージュでぽてっとした厚みのある平皿に、黄色が可愛らしいイートンメス(いちごと生クリームとメレンゲを使ったイギリスの伝統お菓子だそうです)が運ばれてきました。小谷田さんの手仕事で溢れたテーブルは、お食事とお皿が綺麗に調和していて、見ているだけで美味しい最高空間でした。最後まで丁寧に丁寧にフォークで掬いながら食べる体験は、2週間たった今でも鮮明に思い出すことができます。
そして、今回、冒頭でも少し触れたように以前からどうしても欲しかった小谷田さんの器をついに購入しちゃいました。裏面にお手入れ方法が書かれたカードも頂いたので実際に試してみましたが、これがまた楽しかったのです。意外と長文となってしまいましたので、その感想はまた次回に書かせていただきます。
クラフトの器は、日々の食事に新たな発想とより美味しく感じられる視界の楽しみをくれるのだと、小谷田さんの個展に行って改めて発見することができました。今回は非日常的な場で器を楽しみましたが、日常の中にクラフトの器を取り入れることで、クリエイティブな気持ちが湧き上がり、ちょっと一手間加えた料理など自らの手を動かしたくなってしまうものだな、と実感。器には、自分の生活をブラッシュアップするような力もあるんですね。これからも器をどんどん集めて、料理して盛りつけて毎日の食事の景色を楽しむ暮らしを送っていこうと思います。それでは、本日はここまで。最後までご拝読いただきましてありがとうございました。まだまだ暑い日が続きますので、どうかみなさまお体に気をつけつつ楽しい夏をお過ごしくださいね。