蕨野知子

「暮らしに宿る物語り」

暮らしの中で ふと手に取る器、窓辺の光、靜かな時間、こもれび。そこには、まだ言葉にならない記憶や気配が確かに息づいています。いつしか願うようになりました。私の手から生まれたものが、誰かの暮らしのなかでも、そっと物語として宿り続けていくことを。どこかのだれかが、私の作品と出会ったとき、新たな物語が、共に紡がれていくことを。今日も、どこかのだれかの暮らしにそっと物語が宿りますように。

「circus」アンティークの木箱を使用しています。そこは舞台後の控室。

「mirror」フランスアンティークのレースを使用しています。鏡の向こう側は、ほんの少し、違った世界かも。

「月夜」鉄の廃材を利用した灯り。

「雫」雫を受け止める所作をイメージしています。アクセサリートレイとしても。

「土の木馬」木馬シリーズのひとつ。転がります。

「灯る礫(つぶて)」石をイメージしたランプシェード。焼き物です。

「物語の先」古い洋書を使用した灯り。本を読み終わった、その先。

「夜の端」古い地球儀の土台を利用した灯りです。

「夜は浮遊」手足は古い釘で固定してあり、稼働します。