


菅原 博之

私の作る漆の器やカトラリーは「当たり前として使われ続けてほしい」という想いが根底にあります。それには何が必要か? と私なりに考えた答えは「使ってみたくなる形」「手馴染み」「料理を盛り付けた時の印象」「お手入れのし易さ」でした。それはありきたりではありますが、私自身が日々の食卓を囲む中で、毎日使ってしまう器がそうであるという、私の中で大事な視点となっています。
「気がついたら数年使い続けている」「漆が剥げたり、ふちが欠けたりしても修理をして使いたい」「器に興味のない旦那やこどもが気がついたら毎日使ってる」そんなふうに永く日常で使っていただける器を、という想いで作品を制作しています。
自分自身、制作した器を自宅で使うことで、料理を盛り付けた印象や使い心地が確認でき、新たな制作意欲が湧いてきます。使うことで感じた「手入れのし易さ」という観点から、最近は殆どが漆仕上げの作品となりました。私の器は一般的な漆器とは印象がかなり変わりますが、古くからの日本の食文化から繋がる漆文化に、多様化した現在の食文化が上手く共存できる器として、セオリーなどにこだわらず、様々な手法を使い表現しています。

「長角ノ器」白漆

「額ノ皿」黄漆

「カトラリー」黒漆・白漆

「スープボウル」「レンゲ」茶漆 ・白漆

「blur皿」赤漆・白漆

「FUZZ皿」「スプーン フォーク」金漆・黒漆

「リム皿」白漆・茶漆

「鉢」緑漆