窓の庭

太陽の塔の足下、どこへ行くにもギラッと目と目が合うような、大阪北部を拠点に金工作家として活動しています。建築を学ぶなかで、模型制作のために揃えた金属板や糸鋸を使って遊び始めたことが、金属の世界に飛び込むきっかけでした。工芸という隣の芝生が輝いて見えたことを今でも覚えています。

私の作品は、生き物をモチーフにしたものがほとんどです。金工の伝統的な技法と向き合いながら、それらを更新し、常に新しい表現を探求しています。特に、火やその残痕による表情を深く掘り下げ、さまざまな生き物に重ね合わせた、生体におけるナチュラルマークのような傷や痕跡が特徴的です。現と夢の狭間を彷徨うような生き物たちが、今日も棲み着く先を探しています。

「ハシビロコウ」羽の奥行きと嘴の優しい輝き。顔には微笑を浮かべているブローチ。

「シマエナガ」おおらかな毛の輪郭で、表面に細かな毛並みが浮き上がるブローチ。

「キーウィ」ころんと丸い飛べない鳥。ボサボサした羽毛が輝くブローチ。

「オオサンショウウオ」叩いたり、焼いたり、オオサンショウウオらしい質感を追求したブローチ。

「マンボウ」とぼけた顔で海を浮かんでいるようなブローチ。