水村真由子

奈良のアトリエで、食にまつわる木の道具をテーマに、ナイフやかんなを使って一本ずつ手削りで制作しています。食事に使う匙やフォーク、調理に使うへらやしゃくし、調味料をすくったり塗ったりするためのへらや小匙など、手元で働くさまざまな道具を作っています。また、制作の過程で出る端材からは、ちいさな熊のおもちゃや、直感でランダムに削り上げた創作匙などもこしらえて愉しんでいます。

木の道具は、使う人の暮らしの中で少しずつ育てられ、やがて美しい姿へと変化していきます。ある日、ふと手に取ったとき、「あぁ、いいなぁ」と感じてもらえたなら、それはきっと、私にとってもその道具にとっても、作り手冥利、道具冥利に尽きることだと感じます。

働きものから、ちょっと愉快なものまで。くらしに寄り添う道具を豊かに取りそろえて、みなさまをお迎えしたいと思っています。日々の相棒となるような、道具との出会いがありますように。

「カトラリー」用途によって長いものから短いものまで、いろいろな形があります。

「調理具」炒めたり、まぜたり、すくったり、よそったり、いろいろな調理道具たち。

「左利き用」左利き専用の道具もあります。

「食卓まわりの道具」味噌べら、納豆へら、ジャムやバターのへら、瓶から調味料をすくったり、コーヒー豆やお茶を計ったりなど......。食卓まわりで使う小さな道具たち。

「熊のおもちゃ」道具を作る過程で出た端材から生まれた熊のおもちゃ。手がふるふると動きます。

「創作匙」直感でランダムに削り上げる取り分け用の小匙。

「経年変化」クリの木で作った調理用のへら。右端は2年使用。味わい深い風合いに育ちます。