山田哲也

島根
  • 木工
山田哲也

沖縄県生まれ、島根県育ち。大阪市でレコード店勤務の後、木工技術を学ぶため職業訓練校に入学。卒業後、岡山県の山間部にある企業にて木工品の開発、販売に関わりました。

その後、木工作家として独立。料理人の妻と「フレル」という屋号を掲げカトラリーや器など、食にまつわる道具を製作しています。使う木材は主に島根県産の桜や栗、自宅の裏山や近所で伐採された雑木などを使用。製作方法は木の塊を主にノミや鉋といった手工具を用いて削り出す「刳物(くりもの)」という技法を用いています。

会場では料理の盛り付け事例の紹介や、自宅と妻の食堂で数年使用している器を持ち込み、経年変化の様子や日々のメンテナンス等についてご紹介いたします。

Q.木工の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
30歳を目前に子供の頃からぼんやりと考えていた「ものづくり」の道へ進みたいと思ったことがきっかけです。最初は家具作家を志すも、早々に向いていないことに気づき、工具も最小限、自宅でも製作できるものとしてカトラリーづくりを始めたことが今に繋がっています。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
日々の生活、主に食事の時間でしょうか。料理人である妻からの意見も貴重です。時間をつくっては、美術館や博物館に出来る限り足を運ぶようにしています。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
仕事中は工房内で音楽を流し、整理整頓、清掃を心がけ、好きなアーティストのポスターを壁に掛けるなど、自分にとって最大限、気持ちが落ち着くような空間を保つことを心がけています。最近導入した欠かせないものは30分砂時計。砂が落ち切ったところで首肩周りのストレッチを行う、または、一度手を止めて深呼吸をするなどの目安として使用しています。

Q.音響やレコードに向き合ってきた日々が、現在の山田さんの手がける木工という仕事にどう繋がっていますか?
音楽は過去への旅だと思います。好きな音楽がどこから影響を受け生まれたのかを知りたいために、過去の音楽を聴き続けています。自分の仕事も同じ側面があり、アンティークの道具や民藝品などを日々探してその背景を学び、そこから大きな影響を受けています。

Q.「本当に良いと思うもの」を形にするうえで、カトラリーを手にしたときや口に運んだときに “これだ” と納得する瞬間の感覚、心の動きを教えてください。
カトラリーの持ち手を掴んだ瞬間と、口に入れた時の感触に違和感がないこと。その上で、思わず手にしたいと感じるような形状を作ることができた時には心の中で拳を掲げています。