トリノコ
神奈川
木の板をレーザーカットで切り出し、一枚ずつナイフとハンドリューターで削って、小さな生きもののブローチをつくっています。すべて手作業なので、同じ型からでも顔つきが少しずつ違って生まれてきます。並行して、謄写版(ガリ版)印刷でイラストを刷り、ポストカードを作ったりもしています。
子供の頃いつも一緒にいたぬいぐるみのように、人にやわらかく寄り添う作品を作りたいと思っています。胸元やかばんにそっと止めて、お守りのように連れて歩いてもらえたら嬉しく思います。
秋の風に吹かれながら、木の手ざわりやインクのにじみを、ぜひ実物で確かめにいらしてください。たくさんの子たちの中から、目が合う一匹と出会えますように。気の合いそうな顔つきを見つけていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
Q.木工の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
もともとインテリアが好きで、大学では木工を学び、家具を作っていました。でも木をさわるうちに、図面を引くよりも手で自由に彫っていくほうが面白いと思いはじめました。卒業制作で動物の形をした文鎮をたくさん彫ったのがはじまりです。
Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
新しいものを作るときは、まずたくさん落書きをします。その中から、木に置き換えても成立しそうな形を選んでいく感じです。落書きのもとになっているのは、普段の生活で見たり聞いたりしていることの蓄積だと思います。
Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
コーヒーが好きで、作業の合間によく飲んでいます。道具では、ハンドリューターに出会ってから、作りたいものをより形にできるようになった気がします。この数年、欠かせない道具になりました。空間でいうと、自分の部屋がとても好きです。壁には制作中の作品や、友だちからもらったもの、娘の絵などを飾っていて、この環境で制作できるのが素直にうれしいです。

Q.どんなタイミングや流れで「この動物を作ろう」と決まるのでしょうか? また、彫り進める中で「やっぱりこうしよう」と変わることもありますか?
最近は、イベントの趣旨やご依頼に合わせて決めることが多いので、その場に合いそうな動物のイメージをふくらませていきます。ブローチのときは最初に決めた完成形に向かって彫っていきますが、オブジェのように自由度の高い作品は、下書きもあまりせず、彫りながら考えていく感じです。
Q. 完成した瞬間に、「手放したくない」と思ってしまった作品はありますか?
作り始めた頃は、そう思うこともありました。でも今はむしろ、自分がいなくなった先も、「読人知らず」の歌のように、誰が作ったかも忘れられたまま、どこかで長く残っていってくれたらいいなあと思っています。作品そのものはもう自分と切り離されている感覚で、手放したくないというより、遠くまで旅していってほしい気持ちで送り出しています。
URL
Web:torinoko.studio
Instagram:@torinoko_mimeograph
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