たいらあつし

静岡
  • 陶芸・粘土
たいらあつし

千葉で生まれた高校生が沖縄に憧れを持ち、大学で海を渡りました。そこで土着の工芸に心を踊らせ、この世界で生きたいと願いました。今もその気持ちを持ちながら、現在は静岡市清水区で作陶しています。

博物館や書籍、日々の暮らしの中、先人の手仕事、道端に転がった石などからもイメージを受け、ろくろと石膏型を使い陶器を制作しています。象牙色の白い肌に、深い海の色に似た青釉、錆びたような茶の釉をかけたもの......。うつわの重なりや手頃な重さ、把手の持ちやすさ、和洋兼用など、道具としての良さも気にしています。実用性(電子レンジもOK)とデザイン性を備えた器です。

マグや皿や鉢、壁掛けの花器や動物のオブジェ、飾れる陶板など、さまざまな作品が並びますので、ぜひ手に取ってご覧ください。

Q.陶芸の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
小さい頃から絵を描いたり工作したりすることが好きでしたが、だんだん、立体を形づくることへの関心が自分のなかで大きくなりました。そして高校時代には、身につける革細工や染めものづくりが生活の大半を占めるようになっていきます。

そのころ、沖縄民謡も好きで沖縄への憧れが。神田の古書街に通ううち、その土地にしかない土着のものにどんどんと心惹かれ、沖縄の陶芸が学べる沖縄芸大に入学。ここから陶芸人生がはじまりました。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
海をみれば波が模様に見え、山を見ればかたちを感じ、街にいればビルディングが花器になり、片すみのゴミの配置が絵に見える、すべてがアイデアです。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
最近は乳香(フランキンセンス)を焚いてから作業しています。

Q.沖縄での古陶や土着の器との出会いは、現在の表現にどのように影響していますか?
作品づくりの根っこにあるのは、18才のころに出会った、今は廃れてしまった沖縄の古陶です。ぬめっとした白化粧、厨子甕のひび割れ、あらやち(荒焼き)の存在感、皿の伸びやかなフォルム、チューカー(注器)の職人技、そしてマカイ(碗)の見込みに広がる全てを包み込む宇宙のような景色……。私もそうした古陶のように、一見さらっと作ったようでいて、実は丁寧な仕事ができたらと常に思っています。

Q.モチーフを決定するときや、スケッチからかたちに落とし込む際に大切にしているポイントを教えてください。
まずは自分の心に響くものを選びます。そしてそのモチーフが纏う匂いや雰囲気までも感じれるような、儚いニュアンスを大切にかたちにしています。