野田マリコ

東京
  • ガラス
野田マリコ

東京都東久留米市、調布市の工房にて、吹きガラスとコールドワークによる硝子作品を制作しています。

色硝子の美しさを楽しめる「紡ぐ実シリーズ」は、毎年のように新作を発表している代表作のひとつです。

「氷のような鋳造の花器」を作り始めたきっかけは、大好きな古い家具たちでした。蚤の市などで見つける深い焦茶色の家具に似合う、どっしりとした硝子を作りたいと思ったのです。硝子でありながら力強さを感じさせるその花器は、塊のガラスに閉じ込められたコポコポとした泡が、まるで時を切り取ったような表情を見せます。重たい枝物も安定して生けることができます。

「パートドヴェールの蓋物」は、丁寧に拵えた砂糖菓子のような、ふっくらと盛り上がった模様が愛らしく、箱そのものが宝物のような存在です。

いつか時が流れても受け継がれていく、アンティーク硝子のような存在になれたら。そんな未来を描いて日々制作を続けています。

Q.ガラスの道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
子どもの頃から、かわいくてきらきらしたものが大好きでした。中学生の頃、母が百貨店で少し高価なグラスを買ってくれました。どれにしようかと胸を弾ませながら選んだ、その時のうれしい気持ちは、今でも鮮明に覚えています。
20歳頃に小樽を旅行した際、初めて吹きガラス工房を目にし「ガラスは自分で作れるものなんだ」という驚きとともに、「私も作ってみたい」と思いました。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
学生時代からこれまでに制作してきた作品を日々眺めていると、そこから新しいデザインが生まれることがよくあります。完成作だけでなく精度は高く無くともお気に入りの部分がある作品を目の届く範囲に置き見つづけていると当初は考えもつかなかった発想へとつながっていきます。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
ポッドキャストを聴いたり、作家さんが本屋で買い物をするYouTubeを流したりしています。

Q.定番の「木の実シリーズ」は、実際の果物の名前がついていて幻想的な色合いが魅力的ですが、どのように色の組み合わせを決めているのでしょうか? また新作の構想を教えてください。
「紡ぐ実」はシンプルに色ガラスの綺麗さを感じていただきたく制作しています。同じ色の組み合わせでもどちらを下に配置するかで見え方が変わるので、試作品を色々な角度から眺めてブラッシュアップしています。ここ2年ほどは粉ガラスを調合してマットな実も作り始めました。今回のイベントで新色の実を出品する予定です。

Q.最近の作品では“蓋もの”も目を惹きますが、その魅力や興味について教えてください
砂糖菓子をイメージして制作した蓋物です。中には、小さな宝物や大切な思い出の品をしまっていただけたら嬉しく思います。私自身、子どもの頃からずっと大切にしている石の蓋物があり、幾度の引っ越しを重ねた今も変わらず手元にありとても大切な存在です。この蓋物もまた、どなたかの暮らしの中で長く愛され、心の糧となる宝物のような一品になれたらと願っています。