Mellow Glass

長野
  • ガラス
Mellow Glass

長野の森にて硝子の景色をつくっています。

白い霧の朝、木々のあいだを通るひかり、雪の気配、静かな湖の水面、遠くに見える教会や小さな家。

どこかで見たような、けれど、まだ出会ったことのない風景を、手のひらに収まるカタチにしています。

硝子の中の小さな気泡は、ひかりを受けると森の奥で見つけた露のようにそっと輝く。

夕暮れの三日月にゆられ、黒い木々のむこうにやわらかな月が浮かぶ、深い夜。

眠るまえに読む物語のような、静かな森の景色を、ひとつひとつカタチにしています。

日々の暮らしの中でふと心が静まるような、小さな森の気配をお届けできたらうれしいです。

Q.ガラスの道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
美術館でパート・ド・ヴェールの作品を見たとき、「このガラスってなんだろう…」と、その佇まいと存在感に心を奪われました。すぐに調べて、たくさんの作品が所蔵されている能登島ガラス美術館へ向かいました。もともとものづくりは好きでしたが、その出会いをきっかけに「私もこんな世界をつくりたい」と思い、硝子の道へ進みました。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
散歩をしたりのんびりしている時です。森や川、池、空や月を眺めながら歩いていると、作品の景色が自然と浮かんできます。形を考えるというより、その場所に流れる空気を持ち帰るような感覚で制作しています。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
空間です。

窓から森が見え、風や鳥の声、季節の移ろいを感じられる場所で手を動かしています。散歩道や庭先で出会った植物を持ち帰り、花瓶に飾る時間も大切にしています。足元には愛犬ポポがいつも寄り添ってくれます。そんな小さな幸せの景色が、制作へ向かう気持ちを整えてくれます。

Q.代名詞となっている「硝子の街」がどんなきっかけで生まれたのか教えてください。

「硝子の街」は、母との思い出から生まれました。母が仕事をしていた小さな小屋や、その窓から見えた景色。幼い頃の静かな記憶が、少しずつ硝子の中で街になっていきました。

私にとって作品は、失われた時間を再現するものではなく、心の中に残り続けている風景をそっと形にすることです。年月を重ねるごとに街は少しずつ広がり、家や教会に加えて木や月も増え、今もなお育ち続けています。

Q.もし「硝子の街」に入り込んだら、どんなことをして1日を過ごしますか?
教会の鐘を聞きながら森を散歩します。
湖を眺めたり、木陰で本を読んだり。

日が暮れたら、月のヘリを歩いて夜散歩。

硝子の街では、ゆっくり一日を過ごせます。
こちらの世界に戻ると、それはまばたき一瞬の出来事のように感じるのです。