小寺暁洋
石川MAP/42

Q.(陶芸/ガラス/金工/木工/革)の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
もともと、ものづくりは好きなほうだったので、ただ漠然と「職人」になりたいなと考えていました。ガラスに魅力を感じたのは、高校生の頃に北海道の小樽で吹きガラスの制作風景を見たときでした。溶解炉から飴のような粘りをもって巻き取られたガラスは煌々と輝いていて、職人はそれを慣れた手つきで吹き上げ、見たことのない道具でみるみる器の形へと変えていきました。その一連の流れはまるでショーのようで僕の目を引き付けました。その思い出から大学生の頃にガラス工芸を学び始めました。ありがたいことにまだ続けることができています。
Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
骨董市や古道具屋、数は少ないですが本等の資料でみる古い工芸品等から主に着想を得ています。大量生産品でも品質が良くグラスや器の形も無駄がなくほぼ完成しているこの時代、古い作り手たちの試行錯誤や突飛な発想を改めて見ると本当に面白いです。整っていないカタチや気泡の混じったガラスがとても愛おしく思え、僕のものづくりに刺激を与えてくれます。
Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
基本的に音楽かポッドキャスト(面白く学べる系)を聞きながら制作しています。必要というわけではないのですが、経験上作り方を考えすぎるとものがうまく仕上がらないことが多いんです。別の情報を耳から入れることで「集中しすぎない」状態にすることで肩の力が抜けていい具合になっているのでは? と自分なりに思っています。
Q.ガラスを吹くという時間や熱との勝負では、ご自身の「理想の形」と「ガラスの自然な動き」のどちらに軍配を上げることが多いですか?
非常に難しい質問です……。「自然な動き」の定義も難しいですが、圧力で膨らむ力と重力と遠心力だけで作られたという意味であればその作品はとても美しく、時を止めた水のようなミステリアスな魅力があります。僕の場合、人の手業の加えられた痕跡にもまた別種の魅力を感じており、全く触らないということはありません。作品にもよりますが「半々」という割合でしょうか……。
Q.繊細な気泡や独特の揺らぎをどのようにコントロールしていますか?
あまりコントロールはしていないのかもしれません。気泡等は狙い過ぎるとどうもわざとらしさが作品ににじみ出てしまうので、気を付けています。材料だけ用意して、なるべく吹きガラスの基本的な動きを意識して、手を加えたい気持ちを抑えて制作しています。見様によってはあまり何も考えていないということになります……。今も模索しているのかもしれません。
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あなたの好きなものを保存してみてください。吹きガラスで作られた小瓶は同じ形は一つもありません。
神殿の柱を思わせる鎬があしらわれたシリンダーグラス。ちょうどよく手に収まるサイズ感。使い方の幅も広いです。
古い丸底フラスコを思わせる栓付きの保存容器。
乾燥ハーブの保存を目的に作られた保存壜。封じ込められたものは鑑賞物のように楽しむことができます。
気泡や揺らぎを持つ、古い雰囲気を纏った器。
曲線と直線の組み合わさったフォルムの足付きグラス。
型吹きによるモールのあしらわれた大ぶりな足付きグラス。大きな氷も入り、見た目以上にラフに使える日常グラスです。
レトロな雰囲気をもつアイスクリームカップ。気泡を封じた微かな色味と揺らぎをもつ足元に確かな手仕事の跡を感じます。