コウノストモヤ

茨城

MAP/86

  • 木工・かご
コウノストモヤ

茨城県の笠間という自然豊かな土地で、盆や汁椀、スプーンなどの食にまつわる道具、そしてダイニングテーブルや椅子などの家具を製作しています。笠間は陶芸の街でもあることから、近年は笠間焼で使用する原土を使った仕上げに挑戦したり、その土地ならではのモノづくりにも取り組んでいます。

木は単なる素材ではなく、時間と記憶が積み重なった集積物と捉えています。僕の役割はそれに手を加え、木の記憶を読み解き、内部に眠る時間の層を可視化することだと思っています。対峙することなく、対話するように耳を傾け、人にも木にも寄り添える作品を目指しています。

東京クラフトフェスティバルには盆を中心に食にまつわる道具をご用意する予定です。一つひとつの表情をじっくり観ながらお気に入りを見つけてもらえたら嬉しいです。

Q.木工の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
もともと“ものをつくること”に興味があり、特に手を動かしながら形が生まれていくことに魅力を感じていまし た。その中でも木は、同じ種類の木であっても木目や硬さ、色合いが一つ一つ違い、それぞれに個性があります。その木が持っている特徴を見つけ、それを活かしながら形を決めていくことに面白さを感じるようになりまし た。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
アイデアを探そうとしている時よりも、何気なくものを見たり、使ったりしている時に生まれることが多いです。

例えば、普段使っている道具の形や、食事をしている時の器と手の関係、家具の佇まいなど、「もう少しこうだったら使いやすい」「この形には理由がある」と感じた小さな気づきが、ものづくりのきっかけになります。

また、木を削っている最中に、最初に考えていた形とは違う木目や表情が現れることがあります。そうした予想していなかった発見から、形や仕上げを変えていくこともあります。自分で答えをつくるというより、素材や日常の中から拾い上げることを大切にしています。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
特に鑿(のみ)や鉋(かんな)など、手の感覚がそのまま素材に伝わる道具には思い人れがあります。道具の切れ味や状態によって、木から返ってくる感触も変わるので、道具を整えておくことは、ものづくりの一部だと思っています。

そして、音楽も欠かせません。特にパンクロックが好きで、製作中によく聴いています。勢いのある音楽を聴きながら手を動かしていると、自然とリズムが生まれ、集中力が高まります。静かに黙々と作業する時間も好きですが、音楽の力を借りることで気持ちを切り替えたり、いつもとは違う感覚で木と向き合えたりします。自分にとって音楽は、製作のスイッチのような存在です。

Q.木のどの部分を活かし形を決めていくのか、素材との向き合い方について聞かせてください。
まず、木をよく見ることを大切にしています。木目の流れや節、色の濃淡、硬さなどを見ながら、「この木だったら、どこを表にすると面白いだろう」と考えます。もちろん、つくりたい形はありますが、木には木の都合があります。なので、お互いの都合がよいところを見つけてから形にしています。

Q.鉄媒染や浮造りなどの技法を通して木の風合いを引き出すうえで、どのような視点を大切にしていますか?
木が本来持っている表情をどこまで引き出せるか、という視点を大切にしています。

例えば鉄媒染では、木の種類や木目によって色の出方が変わります。同じ方法で仕上げても同じ表情にはならないので、木そのものの個性を見ながら調整していきます。また、浮造りのように木目の凹凸を際立たせる技法も、単純に表情をつくるだけではなく、触れた時の感覚も含めて考えています。

以前は“きれいに仕上げる”ことを意識していましたが、今は“その木らしさ・人間らしさ”が感じられることのほうが大切だと考えています。

リムプレート

リムプレート

細長いカッティングボード

細長いカッティングボード

入隅盆

入隅盆

栗の丸盆

栗の丸盆

栗の丸盆

栗の丸盆