加瀬あすか

千葉
  • ガラス
加瀬あすか

Murrine(ムリーニ)という、金太郎飴のようにどこで切っても同じ模様が出てくるガラス技法で制作しています。パーツの組み合わせによって何通りもの模様を作り出せるところが面白く、一つひとつの違いやリズムを楽しみながら、ガラスの中に小さな景色をぎゅっと閉じ込めています。手に取るたびにちょっと気分が上がる、そんな作品をお届けできたら嬉しいです。

Q.ガラスの道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
大学でガラスコースを専攻し、そこで初めて吹きガラスを体験しました。もともとものづくりは好きだったのですが、実際にやってみると、体を動かしながら夢中で作品を作っていく時間がとても楽しくて、「これは自分に向いているかも」と感じたのを覚えています。吹きガラスは、相手がドロドロに溶けたガラスなので、もちろん思い通りにはいきません。でも、その気まぐれさも含めて面白くて、技法を覚えるたびに作れるものがどんどん増えていくことにワクワクしました。そして何より惹かれたのは、透明なガラスという素材です。光を通すことで見せる表情や、見る角度によって変わる美しさは飽きることがなく、「もっとガラスでいろいろな表現をしてみたい」という気持ちが、この道を続けるきっかけになりました。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
アイデアは「考えよう!」と思って浮かぶというより、日常の中で見つかることが多いです。散歩中に見つけた植物や季節の景色、ふと目にした色の組み合わせに「きれいだな」と感じる瞬間がヒントになります。もともと色合わせを考えるのが好きなので、「この色とこの色、意外と合うな」と思うと、つい頭の中でガラスに置き換えて考えてしまいます。制作中に偶然生まれた色や模様から、新しいアイデアにつながることもよくあります。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
まず思い浮かぶのは着る物です。吹きガラスをやる時は暑いところで作業するので、暑い中でも集中力が続くように、なるべく風通しが良く着心地が良い物を着るようにしています。夏は半ズボンにTシャツ。足元は靴下+スポーツサンダルが定番スタイルです。そして汗をたくさんかくので、手拭いも大事な物の一つです。気に入った手拭いをつい集めてしまいます。

Q.ユニークで愛らしいムリーニ(パーツ)のデザインが魅力ですが、ガラスという素材でそれを表現する楽しさはどういうところにありますか?
ムリーニは、小さなパーツを並べている時間が、私にとってはちょっとしたパズルみたいな感覚です。「この色、合うかな?」と考えながら並べていくのがとても楽しくて、気づくと夢中になっています。しかも相手はガラスなので、「思った通り!」の日もあれば、「そんな仕上がりになるんだ!」と驚かされる日もあります。そんな予想外の表情も含めて、ガラスだからこその面白さだと感じています。

Q.とても手間のかかる伝統技法「ケーンワーク」を用いてシンプルなストライプ模様を手がけていますが、この技法が「良いな!」と思ったエピソードを教えてください。
初めてケーンを引いたときは、太いガラスの塊が細く長く伸びていく様子に驚きました。それをカットして並べると、一本一本がきれいなストライプになっていて、「こんなふうに模様が生まれるんだ!」と感動したのを覚えています。工程はとても多くて大変ですが、自分で作ったケーンが作品の一部になっていく過程は、何度経験しても面白いです。シンプルなストライプだからこそ、色や線の違いがよく見えて、その表情を考える時間も楽しんでいます。