初雪・ポッケ

石川
  • 金工
初雪・ポッケ

「初雪が降った日の心の動きを、ポケットに入れて持ち続けたい。」

そんな小さな感動が生まれ、心に寄り添い続ける装身具を目指しています。 夫婦によるユニットで「初雪・ポッケ」として活動し、ブローチや指環、首飾りなどの装身具を中心に身のまわりのものを金属や木を使って作っています。よく登場するモチーフは主に動物や植物。一緒にいると気持ちが弾み、楽しくなったり、背筋を伸ばしたり。暮らしの中でいのちが宿り、たくさんの時間を共に過ごし、戦友のようなよき相棒へと育ってもらえたら嬉しいです!

普段の活動場所は、石川県金沢市北部の田園地帯。庭にザクロの木があったことから「ザクロ文庫」と名付けたスタジオ・ショップ(現在は予約制)です。装身具のほかに、人生を共に歩む結婚指環もお受けしています。お客様と一緒に考えるオーダーメイドで世界にたったひとつの結婚指環。あれやこれやと考える時間も、ふたりの光る道を築き、みずみずしく彩る大切な思い出です。

Q.金工の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
眞左子は、図書館で見つけた彫金の本に興味を持ったのがきっかけです。自分でも作ってみたいと思い、彫金教室に通い始め、そのままそこで働くことになって、この道に。

英雄は、漆や木が身近な素材で触れていましたが、金属との接点はありませんでした。眞左子と出会ってからです。彫金や金工というよりも彼女の作るものに惹かれたのが最初です。それから、お互いの素材を組み合わせたり、一緒に製作するようになりました。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
基本的には好きなもの、作りたいものを作ります。動物や植物など、具体的なモチーフが多いのですが、それらが形になったところを想像して「かわいい!」って、ふたりで盛り上がった時に、いろいろと浮かんでいく感じです。製作中は黙々と没頭するほうですが、ふたり並んで作業しているので、途中のものを見せたり、手を加えたりと、やり取りしながら、だんだん変化し、良くなっていくのが楽しいです。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
インコを2 羽飼っていて、休憩中に放したりしています。肩にとまっていると安心するというか、穏やかな気持ちでまた製作に向き合うことができます。欠かせない癒しの存在です。インコを飼いだしてから、窓から見える木に小鳥がとまったりすると、気になって双眼鏡でのぞいたり。散歩の時も、ついつい鳥に目がいってしまいます。

Q.様々な形の金属と天然石を組み合わせた作品が素敵ですが、どのように造形の方向性や石の組み合わせを決めていますか?
原っぱを駆け回るウサギや、森の中に佇むフクロウだったり、情景が浮かぶような組み合わせを選んでいます。お話が膨らむというか、お客様のほうからストーリーを展開してくださることもあって、なるほど!と刺激をもらっています。石は、色や形の相性がしっくりくるものを選びますが、お守り的な作用も大事にしているので、石言葉などの意味合いも含めて考えています。

Q.結婚指環の依頼を受けた中で、最近一番嬉しかったエピソードを教えてください。
年配の方になるのですが、失くされた結婚指環と同じものを作って欲しいとご依頼がありました。「代わりの指環で誤魔化すのも嫌だし」と諦めの表情で。40 年前に作られたお店はもうなくなってしまい、ご主人とお揃いの指環だったので、ショックも大きかったようです。特殊なデザインだったので、完璧に再現するのは難しいですが、なんとか仕上げ、気に入っていただき安心しました。その後、イベントに出店した時に遠方からわざわざ見せに来てくださり、「棺桶に入れてもらう」と指環をつけた手を愛おしそうにさする姿がとても嬉しかったです。いつまでも一途で、ときめくような気持ちを持っていたい、と教えられた指環です。