濵田綾音
埼玉MAP/93
今回、屋外の広い空の下、直接お客さまにお会いできることがとても楽しみです。
器には「象嵌」と「掻き落とし」という技法で模様をつけています。象嵌は、器の表面に彫った一本一本の線や点の溝に異なる色の土(化粧土)を埋め込み、全体を薄く削り取ることで模様を現します。掻き落としは、表面に塗った化粧土から描きたい形だけを残して余分な部分を削り取る技法です。絵の具で描くのとは違った風合いや手触りをぜひお楽しみください。
伝統的な技法を用いながら、自分なりの表現で現代のやきものを作りたいと思い、生活の中で使う器を中心に制作しています。
Q.陶芸の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。
子どもの頃から土遊びが大好きで、陶芸にもずっと興味を抱いていました。近所で粘土になりそうな土を探してきては、家の薪ストーブで焼いてみたりもしていたんです。立体の人形を作ったり、器を見たり、料理を盛り付けたりすることも、思えば昔から好きでしたね。ただ、当時は陶芸を仕事にできるとは全く考えていなかったので、巡り巡って今のような形になっていることを、とても有り難く思っています。
Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?
さまざまな実物を自分の目で見る瞬間や、実際に体験して肌で感じたことから、インスピレーションを引き寄せています。
Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。
手によく馴染んだ道具と、仕事始めに飲む一杯のコーヒーですね。それに加えて、仕事場に日の光が差し込み、窓から緑が見えると嬉しくなります。
Q.「シティーアニマル」という、都会的な装いをした動物たちが器に広がるこのシリーズのコンセプトは、どのようにして生まれたのでしょうか?
油絵の肖像画を観ていたときに、「枠があると絵が描きやすいな」と思ったのが始まりです。ただ、人の顔を描くのはどうもしっくりこなかったので、モチーフを動物にしました。枠のバリエーションをいろいろと描いていく中で、カーテンのような装飾も生まれ、暮らしの空気感を感じるようになりました。そこから、「シティーボーイ・シティーガール」という言葉の響きが好きだったこともあり、「シティーアニマル」がいてもいいじゃないかと名付けたんです。初期は肖像画のような雰囲気だったのですが、名前を付けたことで世界観がパッと広がり、次第に枠がなくても自由に描けるようになっていきました。
Q.絵付けではなく、土を彫って別の色土を埋め込む「象嵌」だからこそ表現できる魅力は何だと感じますか?
一番の魅力は、描いた線が自分の肉筆ではなくなるところです。版画と少し似ているかもしれませんが、少しずれたり、かすんだりすることで、タッチに思いがけない微妙なニュアンスが生まれます。その偶然性がとても気に入っていますし、私自身の表現を助けてくれていると感じます。
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