阿部慎太朗

茨城
  • 陶芸・粘土
阿部慎太朗

100年後のアンティーク食器を目指して、茨城県笠間市で制作しています。笠間市は小さな焼き物の街ですが、たくさんの陶芸家が暮らしながら、作陶に励んでいます。工房は丘と丘に挟まれた土地にあり、緑深く、野生動物もちらほら。

そんな環境で出会った草花や故郷瀬戸内の景色などから着想した絵付けやレリーフ装飾など、テーブルを少し華やかに彩るお皿やボウル、カップなど、日常使いの作品を多く手がけています。東京クラフトフェスティバルには長く制作を続けてきた檸檬やオリーブの絵付けの器や、新作の勿忘草の絵付けの器を中心にお持ちしたいなと思っています。絵は全て手描きで描いているので意図的なものから自然なものまで個体差があります。ぜひ、手にとって見比べてくださいね。


Q.(陶芸/ガラス/金工/木工/革)の道を志すこととなったきっかけや思いを教えてください。

はじめは大学のサークルで、陶芸への興味は全くありませんでした。それでも、毎週通っているうちに先週できなかったことができるようになったり、素人なりに上手くなっている実感があり、だんだんと熱中していきました。自分で作ったものが下手でもお茶を飲んだり料理を盛り付けたり、普通に使えるものが作れる、という点も当時の私には新鮮で面白かったです。もう20年以上前のことですが、今も制作のベースはその陶芸サークルでの経験にあるように思います。

Q.どんな瞬間に、どんなものやことからアイデアを引き寄せていますか?

色々なものを見て体験し、手を動かすことです。日本だけでなく海外であったり、古陶磁から現代の陶芸、他ジャンルの工芸、現代が生み出したもの(最近だと手軽に使えるようになったAIだったり)、色々なところからアイデアのソースが混ざり合い、一度頭の中でぼんやりとしたものができて、それを手から実際の形に調整しながら作ります。

Q.音楽、道具、食べ物、空間など、手を動かす時に欠かせないものを教えてください。

頭の中だけで考えるときは運転中など、移動しているときが多いです。工房で作品と向き合うときは一年中、起きている時間の大半、J-WAVEを流しています。

Q.工房の若手アシスタントたちが育ちゆく中、表現やものづくりへの向き合い方に変化はありましたか?

これまでに10名くらいの方が工房を卒業もしくは所属しながら個人作家として活躍しています。工房で制作上のトラブルが起きたとき、スタッフが私の知らなかった方法で解決してくれることが度々あります。逆に工房からは、これまでの集合知や学校では教わらない現場ならではのちょっとした工夫など、スキルや知識の交わる場でもあります。私自身は工房の長でもありますが、一人の個人作家でもあります。私一人では得られなかった集合知にいつも助けられ、新しいアイデアをもらっています。

Q.「100年後にアンティークとして残る器」を目指すために、大切にしている思いを教えてください。

どれだけ数が増えても、一つ前のものより目の前のものを丁寧に作ることです。焼き物は割れて欠片になっても残ることができる素材です。そのときのベストを焼き付けたいと思っています。